東北大学 工学研究科長・工学部長
金井 浩
未曾有の大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を祈念しております。また、被災地で復興に向け日々努力されている皆様に心より敬意を表する次第です。青葉山キャンパスも少なからぬ物的被害を受けました。これまでお寄せ頂いた多くのご支援に深く感謝申し上げます。
震災直後は、従前の勉学・研究環境を取り戻すべく皆奔走いたしました。大きな混乱もなく、学生達の冷静沈着な行動にも特筆すべきものがありました。その後、仮設研究棟や実験設備が整備され、平時同様の運営を取り戻しました。大きな被害のあった3学科の研究棟・講義棟も平成26年春までに免震機能を加えて新築されます。
震災直前には、センタースクエアプロジェクトが完成し、購買とブックカフェからなるBOOOK(ブーク)と中央棟(食堂と上階の事務室、大会議室、大講義室)の2棟が青葉山キャンパスを透明感のある斬新な景観に変化させました。
本学は、開学以来、研究第一主義、実学尊重、門戸開放を理念とし、近代日本の隆盛と持続的発展を牽引し、世界に先んじ科学技術の地平を拓いてきました。しかし近年、研究者や専門家が対峙すべき課題には、地球環境問題、化石資源の枯渇、グローバル化、少子高齢化、ものづくりの衰退等が山積しています。さらにこの大震災で、従来の工学では、安全安心な社会の構築を達成できなかったということが厳然たる事実として突き付けられました。
そもそも工学とは、物質的な豊かさの探究に加え、安全安心、健康・福祉、さらに「真に豊かな社会」の創造を目的とする学問です。特にこの震災体験によって得られた教訓から。本工学研究科・工学部の教職員・学生は、社会に貢献していかなければという強い使命を抱くようになりました。今後、長い歴史の中で培った英知と技術を礎に、人類が抱える大きな課題の根本的な解決に応えていくものと思います。
大震災を乗り越え、教育・研究・社会貢献の新しい地平を目指す、工学研究科・工学部にご支援とご協力をお願い申し上げます。(平成24年4月)