工学教育院

工学教育院ウェブページが2014年10月に公開されました。工学教育院に関する最新情報は工学教育院ウェブページをご覧ください。

概要

工学部・工学研究科では「工学教育院」(平成26年4月設置)を創設し、工学分野における教学マネジメントの強化を進めるとともに、学生が自ら学ぶ意欲の向上を図り、またそのための施策を検討実施していきます。

工学教育院では、工学部長(工学教育院院長)の下、下記の部門を設けて各々の教育や学生支援活動に取り組んでいます。

  1. 基礎教育部門:積上げ型基礎教育の強化
  2. 学部・大学院連携教育部門:人間力・専門力の強化、工学教育院特別講義の企画
  3. トップリーダ教育部門:リーディング大学院との連携
  4. 語学教育・国際交流部門:留学や国際交流活動の支援、英語能力強化
  5. 創造工学支援部門:創造工学センター活動との連携、サイエンスキャンパス支援活動
  6. 学生支援部門:学生相談、健康安全支援
  7. 工学教育企画研究部門:工学部/工学研究科の教育全般の企画
  8. 工学教育社会連携部門:企業と包括的な連携による人材育成の開発・推進

設置の背景

我が国はこれまで勤勉な国民性を土台にして、20世紀の科学技術の発展の担い手としての役割を果たし、豊かな国民生活環境を構築してきました。国民の多くが便利で快適な生活が保証され、安心安全な国づくりに邁進をしてきました。

しかし、近年では世界的なグローバル化の波を受け、従来型の企業戦略では対応できない多くの課題があります。これらを解決できる人材、長く続いたデフレ経済の下での自信喪失状態や閉塞感を打破し新しい価値観を創出できる人材、将来的な展望と国際的な視点を備えてイノベーションを創出し新しい日本を牽引することができる人材の育成が急務となっています。

東北大学は、「研究第一主義」・「門戸開放」・「実学尊重」を理念として掲げて教育と研究に日々取り組んでいます。真理の探究に向けて日夜研鑚する研究者とともに学生自らが努力を積み重ねること、多様な文化を持った人々を受け入れ、狭い専門分野にとらわれず広い視野を持つこと、革新的な技術や新しい学問分野を開拓・展開し、安全安心で持続可能な社会の実現に貢献することを重視した教育を行っています。

この理念は、いま我が国がまさに求めている人材育成の理念にも適合するものです。すなわち、直面している課題に対して挑戦し、我が国の産業・経済上の活力を維持・向上し、社会生活面での幸福・充実感や精神的な豊かさが実感できる社会を実現する人材を育成することが、東北大学にとって重要な使命です。

このような社会背景の下、工学部・工学研究科では、平成26年度より文部科学省の支援を受け「研究型大学における次世代工学教育システムの構築」事業を開始しました。この事業は、工学系専門教育機能の充実のために、「工学教育院」を創設し、研究型大学における工学教育の「体系的カリキュラム」を編み、国立大学では初めての達成度評価に基づく学部から大学院までの6年一貫教育を推進し、グローバルに活躍できる研究者および我が国の産業を牽引できる技術者の育成強化を目指すものです。

目指す教育

工学部・工学研究科では、自然・人間・社会についての深い知識と、国際社会の一員としての広い視野を持ち、互いに尊重し合い、自ら考え行動する、創造性豊かな人材を育成すること、そして、世界を先導する研究者あるいは技術者としての基礎を身につけ、我が国ひいては世界の文明と産業を牽引し、人類の持続的発展に貢献することができる人材を育成することを目的とし多くの学生の教育を実施しています。

従来行ってきた基礎教育から専門教育への高等教育体制を維持し、さらにこれらの知識を活かす能力を育むため、「工学教育院」では基礎教育分野に関しての検討を進めるとともに、システム/エンジニアリング・デザインやマネジメント教育、語学教育、トップリーダ教育など幅広い教育の場を提供していきます。

レベル認定制度について

平成26年度より開始した「研究型大学における次世代工学教育システムの構築」事業において、2つの大きな施策として「工学教育院」の設置と「レベル認定」制度の開始があります。レベル認定制度は、学生がもつ個々の能力を認定しさらに高い能力を身に付けるよう応援する制度です。

現在の大学教育でのカリキュラムは、教育目的目標に沿って学習すべき内容を設定し、それに応じて基礎科目、専門科目群を設け、授業を行い、理解度を試験・レポートによって評価し、単位を認定する方式で行っています。この「単位制」に基づいた教育は、必要な知識の修得とともに幅広い科目を設定することで学生の興味関心に応じた学習を進めることができます。大学に入学した学生がみな、十分な実力を持ち卒業できるよう指導しています。

一方で、安易な単位制の運用では、ほぼすべての学生が卒業できるような授業や試験レベルが設定され、科目履修・認定だけでは学生の実力が正当に評価できないという弊害が危惧されています。各科目の成績を合計し平均するGPA(Grade Point Average)制度が欧米で導入され、国内の大学でも取り入れられつつありますが、得てして良い成績を取りやすい科目を選択したり、成績が下がるといけないため最小限の科目履修に止める状況も起こりがちです。

そこで今回、工学部・工学研究科では、単位制の下で備わった知識を総合力として生かす力を評価し認定する制度として「レベル認定」制度を開始します。GPA制度のような個々の科目の成績の平均値とは異なる物差しで、学生の理解度を(プラスに)評価し、また大学での座学だけでなく様々な指標で能力を高める「動機付け」を行うことを目指しています。

各学生が大学教育の中で「個」として自らの能力を伸ばす努力をすること、その際、自分にとってどういった力が優れているか、足りない点は何かに気付き、 様々な授業体験や自学自習、また社会経験を経て能力を伸ばしていくことが大事です。「レベル認定」制度はこのようなスキルアップをする一助になることを目指 しています。

レベル認定制度の内容

レベル認定」制度では、様々な能力を持った学生に対し、従来の座学中心の成績評価だけではなく、下記のような5つのジャンルについてレベル基準を設け、各々の力を評価します。5つのジャンルは

  1. 基礎学力
  2. 専門学力
  3. 課題解決・論理展開力
  4. 語学(英語)力
  5. 価値創造力

です。レベル認定制度についての詳しい内容は、学生向けに説明を行っていきます。

学生の皆さんに期待すること

大学は「知の創造」を担う場所です。大学に進学し、学部生としてまた大学院生として、これまでに誰も知らなかったこと、見たことがなかったものを創り出す場に立ち会い、多くの課題に直面することと思います。幾度となく失敗をし、しかし、くじけずに失敗の原因を丁寧に分析し最後には成功を体験すること、そして「創造の感動」を味わうことでしょう。その中で、「挑戦する心」「気概、努力を継続する能力」「夢、使命感、情熱、矜持」の重要性を自ら再認識して頂きたいと思います。

大学とは「個」を確立する場です。勉強を通じて人類がこれまで構築してきた知の遺産を受け継ぎ、そこに新しい一石を投じる喜びを感じること、困っている人を助けたい、安心できる社会を作りたいといった夢を実現する力を身に付けること、多様な文化で育った人達の中で一人の人格者として生きる力を身に付けること、それら全てを通じて「豊かな個性」を育み輝かせていってほしいと思います。

東北大学工学部・工学研究科の「工学教育院」は、そういった学生の皆さんの「学ぶ」場を提供し充実させることを目的としています。

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