研究科長・学部長挨拶

概要

研究科長・学部長挨拶

東北大学 工学研究科長・工学部長

東北大学 工学研究科長・工学部長
伊藤彰則
Prof. Akinori Ito

 東北大学工学研究科・工学部のホームページへようこそ。工学研究科長・工学部長の伊藤です。この場を借りて、皆さまにご挨拶申し上げます。

 東北大学工学部は1919年に発足し、百年余の歴史がある学部です。発足当時は3学科11講座からなる学部でしたが、現在の工学部は機械知能・航空工学科、電気情報物理工学科、化学・バイオ工学科、材料科学総合学科、建築・社会環境工学科の学部5学科、および大学院18専攻を擁する巨大な部局となりました。東北大学の全学生の約3分の1が工学部・工学研究科に所属しております。

 工学部・工学研究科は、社会に役立つ技術に関する教育と研究を使命としています。すなわち、ものづくりはもちろんのこと、社会インフラや社会システム、情報技術など、あらゆる分野で社会を変革するためのイノベーションを起こし、それによってより豊かで快適な社会を実現することを目指し、そのための人材育成と研究開発を行っています。

 産業革命以来、それまで不可能だと思われていたことが、イノベーションによって次々と可能になり、その上に現在の我々の社会があります。特に19世紀末の電力供給と電話網の普及によって社会は大きく変貌しました。それ以来、より多くのエネルギー、より多くの物資、より多くの情報をやり取りしながら我々の社会は拡大し、そしていまその上限に達するかと思われています。二酸化炭素排出量の増加による地球温暖化だけでなく、様々な面で拡大路線の限界が露呈し、また新型コロナウイルス感染症のパンデミックは世界に暗い影を落としました。その結果、カーボンニュートラルを始めとした新しい社会目標が世界で共有されました。そして、この状況を克服して、さらによい社会を実現する手段はイノベーションしかあり得ません。これを実現するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)を始めとして、今後の社会における工学の重要性はますます高まっているといえます。

 また、2010年代から急速に発展してきた第3次人工知能(AI)ブームによって、AIの性能は飛躍的に高まり、少し前には夢物語であった技術的特異点(シンギュラリティ)、すなわちAIの知能があらゆる面で人間を凌駕する世界が実現しようとしています。そのような世界では、機械を使いこなして新たな価値を創造する技術・技能こそが社会の基盤となります。工学部・工学研究科での教育研究は、そのための人材育成と技術開発に大きく貢献します。

 教育・研究と並んで、産学連携は大学の大きな柱になってきています。東北大学工学部・工学研究科は産学連携に力を入れており、その規模は毎年10%を超える増加を見せています。特に、企業の研究拠点を学内に設置する「共創研究所」制度を通じて、大学・企業の枠を超えた技術や人材の交流が始まっています。このように、今後の大学は、教員と学生のための「学校」という枠を大きく超えて、社会のすべての人々にとっての「知の拠点」としての役割が主になっていくだろうと思います。我々は、そのような「知の拠点」を目指して、今後も社会との共創に努めてまいります。

 東北大学工学研究科・工学部ホームページを通じて、ご来訪の皆様の役に立つ情報がお届けできることを願っております。

 

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