研究科長・学部長挨拶

概要

研究科長・学部長挨拶

東北大学 工学研究科長・工学部長

東北大学 工学研究科長・工学部長
湯上浩雄
Prof. Hiroo YUGAMI

東北大学工学研究科・工学部のホームページをご覧いただき有難うございます。工学研究科長・工学部長の湯上です。この場を借りて、皆さまにご挨拶申し上げます。

東北大学は日本で3番目の帝国大学として1907年に創設され、工学部はその12年後の1919年に発足しました。以来、「研究第一主義」、「門戸開放」、「実学尊重」の理念もとに、工学のあらゆる分野で多くの研究実績を挙げ、安全で豊かな社会の実現に貢献してきました。2019年には、多くの関係者の方々のご協力のもと創立百周年式典や記念基金の設立などの百周年記念事業を実施いたしました。

現在の工学研究科・工学部は、機械知能・航空工学科、電気情報物理工学科、化学・バイオ工学科、材料科学総合学科、建築・社会環境工学科の学部5学科、および大学院18専攻の構成となっています。学生数を見ると、学部学生がおよそ3450名、大学院生がおよそ2,000名となっています。これは東北大学全体のおよそ3分の1の規模であり、工学研究科・工学部の卒業生への社会の需要の大きさを物語っています。

工学は科学と人々の生活をつなぐ学問であり、地球規模で様々な課題に直面する今日において、工学が果たすべき役割は益々大きくなってきています。特に、令和2年初頭からの新型コロナウイルスの世界的な流行、その感染防止策の結果としての経済活動の低下や経済格差の拡大などにより、私たちの社会生活環境は一変しました。さらには、ビッグデータを基盤としたデータ駆動型の価値創造による企業活動の隆盛と相まって、社会構造自体が大きな変革期を迎えていると言えます。この困難な状況下であるからこそ、真理の探究のみならず社会課題の解決にまで挑戦するための学問体系である工学の教育研究活動を通して、人々のくらしを守り地域・国際社会に貢献する取り組みを一層推進してまいります。

新型コロナウイルスとの共存を前提とした 「withコロナ」 環境下において、持続的で安全安心な社会を実現するために、私たちが取り組むべき課題は山積しています。東日本大震災から11年が経過しましたが、その復興への継続的な貢献に加えて、気候変動で大規模化する自然災害に備える国土強靭化、高齢化社会の先進地域である東北において豊かに生きるためQuality of Lifeの向上、そして脱炭素社会の実現です。我が国は「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」ことを世界に宣言しました。環境 (Environment) と経済 (Economy) とエネルギー (Energy) からなる 「Eのトリレンマ」 から脱却して、安定的なエネルギー供給のもとで経済と環境の好循環を作り出せる革新的エネルギー技術やカーボンリサイクルなどの分野でのイノベーション創出に貢献します。また、我が国の基幹産業である製造業など多様な産業におけるデジタルトランスフォーメーション (DX) を推進するための産学連携研究や教育を強化します。

最後に、私の教育に関する考え方をご紹介します。大学には、毎年4月に新入生が入学し3月に卒業・修了していきます。この繰り返しの営みの中で私たち教職員は大学で教育・研究に従事しています。しかし、一人の学生に関してみれば 「18歳は一度しかありません、22歳も一度しかありません」。私たち教職員と学生諸君との関係は、長い人生の中では 「一期一会」 といっても過言ではありません。新型コロナ感染症への対応を継続しつつキャンパス活動を正常化していく途上にありますが、このことを常に心にとめて、学生諸君が東北大学工学研究科・工学部において有意義な学生生活を送れるように、共に学ぶ環境を作っていきたいと思っております。

これから大学を受験する学生諸君、多様な研究分野を内包する各学科・専攻のホームページを楽しんでください。きっと諸君の興味を引く研究室が見つかると思います。是非、一緒に未来社会を創っていきましょう。

 

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