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超小型紫外線センシング Si フォトダイオードを実用化 - 東北大学・エイブリック株式会社 共同開発 -

2018/07/11

【概要】

東北大学大学院工学研究科技術社会システム専攻 須川成利教授・黒田理人准教授の研究グループは、エイブリック株式会社(社長:石合 信正、本社:千葉県千葉市美浜区中瀬 1-8)と共同で、UV-AからUV-Bまでの紫外線領域(*1)の紫外光を検知するシリコンを利用した紫外線フォトダイオード(*2)の量産化技術の開発に成功し、この度、実用化されました。

この量産化技術をもとに開発された新製品「S-5420」は、高感度フォトダイオードと低感度フォトダイオードの信号差分を取ることによりフィルターなしで可視光領域をカットし、紫外光成分の検知をすることができます。フィルターがないためアプリケーションの薄型化やフィルターによる光の減衰を防ぐことができます。また、小型の透明樹脂パッケージに搭載したことにより、ウェアラブル端末での設計自由度が広がります。

【開発の背景と技術の詳細】

近年、ヘルスケアの分野において、日焼けやシミなどの予防に関する関心が高まりつつあります。スマートフォンやウェアラブル機器などで紫外光が簡単に計測できれば、健康管理や美容医療への貢献が期待されます。また、産業分野においてもUV-AやUV-B波長のLED照射型の UV 硬化装置や UV 硬化インクを使った印刷機などの機器が増えており、紫外光が安定して発光しているか、計測するニーズが高まりつつあります。

須川教授・黒田准教授の研究グループでは、これまでに 190~1100nm の広光波長帯域で高い感度を有し、強い紫外光に長期間照射されたとしても性能劣化が起こらない高い耐光性を有するシリコンフォトダイオード技術を開発してきました。共同開発した量産化技術は、このシリコンフォトダイオード技術を応用して差分型の検出方法を導入し、高感度フォトダイオードと低感度フォトダイオードの信号差分を取ることによりフィルターなしで可視光領域をカットし、紫外光成分を選択的に効率よく検知するセンサを製造する技術になります。

新製品「S-5420」では、シミやしわの原因となるUV-Aから、日焼けの原因となるUVBまでの計測が可能です。本製品では小型の透明樹脂パッケージが採用され、ウェアラブル機器での計測が可能になり、誰でも紫外線を簡単に確認できることが期待されます。

また小型の為、紫外光を照射する産業機器に自由度の高い設計が期待されます。

【語句説明】

(*1) UV-A から UV-B までの紫外線領域:UV-Aは 315~400nm、UV-Bは280~315nmの波長帯
(*2) シリコンを使った紫外線フォトダイオード: シリコン半導体は汎用性が高く、シリコンを使ったセンサは将来的な回路の集積化や高機能化への発展性に優れています。

【主な特長】
  1. UV-AからUV-Bまでの紫外線波長をセンシング
    シミやしわの原因となる UV-A から日焼けの原因となる UV-B までをセンシングすることができます。健康管理への貢献が期待されます。
    また、産業分野においても UV-A や UV-B の波長の LED を照射する機器が増えており、UV-LED が安定して発光されているかを計測する、制御用センシングへの貢献が期待されます。
  2. 2つのフォトダイオードの差分によりフィルターが不要に
    従来、シリコンフォトダイオードで可視光をカットする場合、専用フィルターにより可視光成分をカットし UV-A、UV-Bの波長帯を測定していました。今回、紫外光に対して高感度なフォトダイオードと低感度なフォトダイオードの 2 つのフォトダイオードで構成し、その差分を計測することで、フィルターなしで可視光成分をカットし UV 波長帯で感度を際立たせることを実現しました。フィルターを使わないため、アプリケーションの薄型化やフィルターによる光の減衰を防ぐことができます。

  3. 小型透明樹脂パッケージを使用
    2.55×1.56×t0.65(max.)mm の表面実装タイプの小型の透明樹脂パッケージを使用し、ウェアラブル機器にも使用できます。小型のため、実装の制約が少なくウェアラブル機器のデザインの自由度が増します。また産業機器でも、小型であるため、紫外線の光源に対して自由に配置することで、紫外線強度をより均一に制御することが可能となります。表面実装タイプの為、一般的な IC と同様に実装できるのもメリットです。

【用途例】

・紫外線指数計
・紫外線照射装置

エイブリック株式会社 製品情報
【Web サイト】
 https://www.ablic.com/jp/semicon/
【お問合せ先】
東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
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