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東北大発スタートアップ「ファイトケム・プロダクツ(株)」米ぬか由来の未利用油からスーパービタミンEなどを製品化 - 世界発「イオン交換樹脂法」により地域の雇用や産業の創出を目指す -

2019/09/10

【発表のポイント】
  • 大学発スタートアップ「ファイトケム・プロダクツ(株)」が本学北川尚美教授の開発技術を活用し、米ぬか由来の未利用油からスーパービタミンEなどを製品化
  • 東北大学ベンチャーパートナーズ(株)からの資金調達を実施
  • 東北地域への大規模製造工場の設置により、地域の雇用や産業を創出
【概要】

東北大学大学院工学研究科北川尚美教授は、本学で開発してきたイオン交換樹脂(注1)を用いたフロー型の反応分離システム(イオン交換樹脂法)の社会実装を目的とし、本学が実施する研究成果事業化支援「BIP(ビジネス・インキュベーション・プログラム)」のフェーズ1を経て、所属研究室の卒業生や関係者の有志と共に、2018年6月に大学発スタートアップ「ファイトケム・プロダクツ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:加藤牧子)」を設立しました。
このたび、製品化の目途が立ち、2019年9月9日に東北大学ベンチャーパートナーズ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:吉村洋)を無限責任組合員とするTHVP-1号投資事業有限責任組合からの100百万円の資金調達が実施されました。今後、ファイトケム・プロダクツ株式会社は、製造設備を増強し、スーパービタミンE(トコトリエノール)(注2)などの製造・販売事業を本格化させていきます。

イオン交換樹脂法は、食用油の製造工程で発生する未利用油を原料として、イオン交換樹脂の入ったカラムを通過させるだけの簡便な方法により、未利用油中に含まれる機能性物質を分離回収すると同時に油成分をバイオ燃料や機能性素材に変換できる反応分離技術です。北川教授は、当初、燃料となるバイオディーゼル製造を目的とした量産装置の開発と実用化に取り組んできました。その過程で、「米油」を製造する工程で多量に発生する未利用油(注3)を原料にすると、それに含まれるスーパービタミンE(トコトリエノール)などの健康機能成分も並行して回収できることを見出しました。その結果、未利用資源からの燃料、食品、医薬品の製造など広範な用途に適用可能な基盤技術であることが明らかとなり、その成果が高く評価され、公益社団法人新化学技術推進協会の第17回グリーン・サスティナブル ケミストリー(GSC)賞文部科学大臣賞(http://www.jaci.or.jp/gscn/page_03/awards/gscaw-2017.html)を2018年6月に受賞しています。

今後、北川教授は、未利用油に含まれるステロールやスクアレンなど他の健康機能成分の分離回収や機能性素材となる難水溶性エステルの製造技術の開発を進め、将来的には東北地域へ大規模製造工場を設置することで、地域の雇用や産業の創出ならびに未利用資源の高付加価値化を通じて持続可能な社会へ貢献することを目指しています。


  • 図1:広範な用途に適用可能なイオン交換樹脂法

  • 図2:商品サンプルの写真
【用語解説】

注1. イオン交換樹脂 :
通常水の分離材として使用されるイオン交換能をもつ合成樹脂のこと

注2. スーパービタミンE(トコトリエノール) :
通称スーパービタミンEと呼ばれ、ビタミンEの50倍の抗酸化活性をもち、他に血中コレステロール低下作用や動脈硬化の予防・改善効果などの薬理作用を持つ

注3. 未利用油:
分子蒸留法などの従来技術では効率的な分離回収を行うことが困難なため、現状では焼却されている油のこと

【お問合せ先】
東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
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