電子工学専攻 石鍋隆宏准教授らのグループが開発した無彩色偏光板を用いた、電源供給を必要としない無給電屋外表示システムが実用化

2020/03/03

電子工学専攻 石鍋隆宏准教授、藤掛英夫教授の研究グループが、株式会社ポラテクノ、日本化薬株式会との共同研究により、無彩色偏光板を開発しました。
従来の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの大画面ディスプレイは、消費電力が高く、電源供給がない環境下での使用はほとんど不可能でした。 また、屋外では太陽光が明るいことから、表示が見にくいという課題がありました。
開発した無彩色偏光板は、従来の偏光板に用いられる色素であるヨウ素に替わり、二色性染料を用いた偏光板であり、新しい構造の染料、および染色・延伸技術の開発により、可視光領域にわたって均一で高い二色比を実現したものです。耐熱性や耐光性にも優れていることから屋内・屋外を問わないディスプレイ用途への応用が可能であり、ディスプレイの超低消費電力化と、優れた屋外視認性の両方を同時に実現するものです。
この度、本研究成果を活用し、株式会社ピクトリープが無給電屋外表示システムを開発しました。
32インチ高性能反射型液晶ディスプレイにバッテリー、太陽電池と夜間照明を搭載しており、災害時や伝送網が整備されていない地域でも、情報表示を行うことができます。
こちらの製品のコア技術として本研究成果が採用され、実用化まで漕ぎつけたことは、社会的に大変意義のあることです。

図1 屋外での表示の様子

図2 無給電屋外表示システム

お問合せ先

東北大学大学院 工学研究科 電子工学専攻 石鍋隆宏
TEL:022-795-7119
E-mail:ishinabe*ecei.tohoku.ac.jp (*を@に置き換えてください)
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