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電動車普及拡大に貢献するDyフリーNd系異方性磁石粉末の高性能化に成功 ~EV向け電動アクスルの更なる小型軽量化を実現~

2021/02/09

【本学研究者情報】
〇本学代表者所属・職・氏名:大学院工学研究科知能デバイス材料学専攻・教授・杉本 諭
研究室ウェブサイト

概要

国立大学法人東北大学(総長:大野英男)大学院工学研究科の杉本諭教授と愛知製鋼株式会社(代表取締役社長:藤岡高広)は、加速化する電動車の普及拡大と資源問題に寄与するDy(ジスプロシウム)フリーNd(ネオジム)系異方性磁石粉末の高性能化に成功しました※1

これにより、従来比40%小型軽量化を実現するEV向け電動アクスル※2の更なる小型化(40→50%)および低コスト化が可能となり、電動化社会の早期実現に貢献します。なお本成果は、今年3月に開催の日本金属学会春期(第168回)講演大会にて発表予定です。

磁石粉末の製造プロセスと開発ポイント

  1. DyフリーのNd系ボンド磁石(愛知製鋼商標「マグファイン®」)※3の磁石粉末の製造プロセスである、合金と水素との反応を利用した複数の熱処理工程において、東北大学が高度解析技術に基づく知見を提供し、それを愛知製鋼が実証することで下記2点を共同開発
    • 水素解砕処理※4プロセスで、熱処理温度と圧力を制御しながら、粉末を多結晶状から単結晶状にする技術
    • d-HDDR処理※5プロセスにおいて粉末内の結晶方位を揃える高配向度化技術
  2. 上記(1)により、高い保磁力※6を維持した状態で15%の高磁力化に成功

図1 水素解砕処理後の磁石原料組織の模式図
図2 d-HDDR処理後の磁石粉末断面写真・模式図および微細組織写真

今後の展開

今後、本磁石粉末を用いたDyフリーボンド磁石は、EV向け電動アクスルに加え、家電分野や自動車分野の補機モータなどにも利用展開できることから、CO2排出削減技術の一端を担い、スマート社会の早期実現に貢献していきます。

用語説明

*1

本件の一部は、文部科学省元素戦略(拠点形成型)プロジェクト「元素戦略磁性材料研究拠点(ESICMM)」(課題番号JPMXP0112101004)、NEDO「部素材の代替・使用量削減に資する技術開発・実証事業」および「次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発プロジェクト(MagHEM)」の支援のもと実施

*2 EV向け電動アクスル

愛知製鋼のオリジナル特設WEBサイトで2月28日(日)まで掲載

*3 Nd系ボンド磁石(マグファイン® )

Nd系異方性磁石粉末を種々のプラスチックで固定して成形した磁石。愛知製鋼は磁粉から独自開発し、ボンド磁石まで一貫生産を実現

*4 水素解砕処理

水素を利用して磁石原料(Nd-Fe-B系合金)の内部にクラックを生じさせ、磁石原料を破壊する手法

*5 d-HDDR処理

制御された水素雰囲気中で熱処理を施すことで、高性能の磁石粉末を得ることができる手法

*6 保磁力

磁化された磁性体を磁化されていない状態に戻すために必要な反対向きの外部磁場の強さ。Nd系磁石では耐熱性の指標にも使われる。

お問合せ先

東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
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