『荏原製作所×東北大学 「流れ」で未来をつくる共創研究所』を設置
- 新たな「流れ」の技術開発と社会実装に挑戦 -
2024/05/31
発表のポイント
- 国立大学法人東北大学と株式会社荏原製作所は、『荏原製作所×東北大学「流れ」で未来をつくる共創研究所』を2024年5月1日に設置しました。
- 荏原製作所の技術力と東北大学の研究力を融合した「流れ」に関する技術の開発と社会実装により、新たな価値創造を実現します。
- 共創研究所ではグリーン水素製造と低温技術の社会実装へ向けた基盤開発に取り組みます。
概要
株式会社荏原製作所(東京都大田区、取締役 代表執行役社長 CEO&COO 浅見 正男、以下「荏原」)と国立大学法人東北大学(所在地:宮城県仙台市、総長 冨永 悌二、以下「東北大学」)は、持続可能な社会づくりへ向けた新事業創出拠点として、2024年5月1日に、『荏原製作所×東北大学「流れ」で未来をつくる共創研究所(注1)』を東北大学青葉山キャンパス内に設置いたしました。
東北大学では産学共創の更なる振興、発展を目指して、2021年4月に「共創研究所」制度を創設し、約30の企業とさまざまな研究を進めています。本制度を活用いただくことで、東北大学と共に荏原が目指す新たな「流れ」の技術開発と社会実装を実現します。
左から:曽布川拓司 特任教授(運営総括責任者)、塚本輝彰 統括部長、東北大学 植田拓郎 理事、佐藤一永 准教授(運営支援責任者)、髙村仁 教授
設置の背景
昨今、社会情勢は目まぐるしく変化しており、人々の価値観もそれに伴い変化しています。かつては物質的な豊かさが重視されていた時代もありましたが、近年は、環境問題や社会問題への関心が高まり、精神的な豊かさや持続可能性を重視する価値観が主流になりつつあります。これら価値観の変化や、カーボンニュートラルに代表される環境、産業構造の変化に対応するためには、産業のあらゆる場面において存在する「流れ」を理解・分析し、さらなる価値創造の実現が必要であると考えられます。
東北大学は、これまでに水素エネルギーや次世代創蓄電デバイスなどのGXグリーントランスフォーメーション)関連研究において、国内外の研究機関や産業界との連携を強化してきました。特に、2023年7月には、次世代グリーン水素製造技術の産学連携の研究開発拠点として工学研究科・環境科学研究科にSOFC/SOEC実装支援研究センターを設置し、GX社会実現に向けた産学連携の体制を構築しています。
荏原は、創業の精神である「熱と誠」のもと、水と空気と環境の分野で熱や流体を基盤とした優れた技術を生かし、ポンプなど流体機械をはじめとした 「流れ」に関する最良のサービスを提供することで広く社会に貢献しています。また、持続可能な社会づくりへ向けて新しい事業創出に取り組んでいます。
今回の取り組み
東北大学と荏原は、持続可能な社会づくりへ向け、新しい事業創出・社会実装を目的とした『荏原製作所×東北大学「流れ」で未来をつくる共創研究所』を東北大学のグリーン未来創造機構(注2)内に設立いたしました。
共創研究所においては、「つくる、はこぶ、つかう」の分野にて荏原が市場創出に取り組んでいる水素事業や、環境負荷低減について、複数の共同研究を立ち上げて推進いたします。水素の領域では、グリーン水素技術の開発をテーマとします。東北大学の複数の研究科、研究所の教員の参画による材料工学、材料力学、流体工学、熱工学の研究力と、荏原の水と環境に関する技術力の融合により、グリーン水素事業の技術基盤を形成するとともに、社会実装に向けた製品開発を推進します。また、環境負荷低減の領域では、低温技術開発をテーマに、物理学、化学、材料工学、機械工学、電気工学のあらゆる分野からのアプローチにより技術基盤の整備と社会実装に向けた技術開発を推進します。
共創研究所概要
- 名称:荏原製作所×東北大学 「流れ」で未来をつくる共創研究所
- 活動内容:
東北大学の研究力と荏原の技術力を融合し、社会課題解決と価値創造に取り組みながら、未来の可能性を拓く新たな「流れ」の技術開発と社会実装に挑戦する。 - 運営体制:
(1)運営総括責任者東北大学 グリーン未来創造機構・グリーンクロステック研究センター(2)運営支援責任者
曽布川 拓司 特任教授
(荏原製作所 CP水素関連戦略ビジネスユニット)東北大学 グリーン未来創造機構・グリーンクロステック研究センター
/大学院工学研究科 先端材料強度科学研究センター
佐藤 一永 准教授 - 設置場所:東北大学青葉山キャンパス
- 設置期間:2024年5月1日 ~ 2027年4月30日
用語説明
(注1)共創研究所
https://www.rpip.tohoku.ac.jp/jp/information/kyoso_kenkyu/