東北大学とFuture Care Lab in Japan『2030年から問う介護』における「ひろがる、介護施設の可能性~開かれた介護施設へ~」の提案
2024/07/31
概要
国立大学法人東北大学大学院工学研究科の平田研究室(以下、「東北大学」)は、SOMPOケア株式会社(東京都品川区/代表取締役社長:鷲見 隆充、以下「SOMPOケア」)が運営する、「人間」と「テクノロジー」の共生による新しい介護のあり方を創造するリビングラボ(注1)「Future Care Lab in Japan(注2)」で行われる『2030年から問う介護』(注3)にて、「ひろがる、介護施設の可能性~開かれた介護施設へ~」と題した展示を行います。プラナス株式会社と共同開発したもので、この展示では、介護サービスの質の維持と人手不足の解消を両立し、かつ介護職員にとってもやりがいのある、働きやすい環境を構築するためのテクノロジーを提案しています。
『2030年から問う介護』では、このほかに、SOMPOケアが他のパートナー企業と開発した3つの展示が行われ、来訪する介護事業者が「自社ならどう考えるか」といった意見交換の場として活用していただく予定です。
Future Care Lab in Japan『2030年から問う介護』
■場所:SOMPOケア株式会社
〒140-0002 東京都品川区東品川4-13-14 グラスキューブ品川10階
■対象:介護サービス事業者
詳細な説明
現在、介護現場の業務効率化・省力化を目的に、ICTや介護ロボットなどのテクノロジーを駆使した技術の開発が進み、活用が広がりつつあります。東北大学では大学院工学研究科 ロボティクス専攻の平田泰久教授がプロジェクトマネージャーを務める国立研究開発法人科学技術振興機構が推進するムーンショット型研究開発事業(注4)「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」のプロジェクトにて、2030年の介護施設での使用を想定したAIロボットの開発を進めています。また、平田教授の研究室には介護現場で活用できるテクノロジーを共創する青葉山リビングラボ(注5)が設置され、介護テクノロジーの実証評価・開発企業の開発支援を行っています。
一方、SOMPOケアでは、2019年に開設された「Future Care Lab in Japan」において、介護テクノロジー研究開発と実装における課題解決のため、開発企業・介護事業者の中心となり、介護現場で活用できるテクノロジーを共創するリビングラボとして、介護テクノロジーの実証評価・開発企業の開発支援を行ってきました。
こういった背景のもと、SOMPOケアがパートナー企業と連携し実施する、2030年の介護のあり方を模索するプロジェクト『2030年から問う介護』において、東北大学はプラナス株式会社と連携して「ひろがる、介護施設の可能性~開かれた介護施設へ~」というコンセプトを紹介する動画およびその中に登場する模型展示を共同開発しました。介護サービスの質の維持と人手不足の解消を両立し、かつ介護職員にとってもやりがいのある、働きやすい環境を構築するためのテクノロジーを提案し、また、介護を受ける人ができなくなったと諦めていたことをできるように変えていけるテクノロジーの提案も併せて行っています。
東北大学は、未来の介護施設を共創するSOMPOケアとの関係を今後もさらに深め、介護現場のニーズに応じて介護を受ける人、介護をする人の生活を向上させ、活用し続けられるAIロボットやその他テクノロジーを生み出し続けることで、持続可能で魅力ある介護サービスの創造に貢献してまいります。
用語説明
(注1)リビングラボ
実際の生活空間を再現し、利用者参加の下で新しい技術やサービスの開発を行うなど、介護現場のニーズを踏まえた介護ロボットの開発を促進するための機関。「開発中の介護ロボットの製品評価をしたい」「実際の介護現場で使えるのかどうか検証したい」といった開発企業を支援。本事業に参画するリビングラボは現在全国で8箇所。互いにネットワークを構築し、それぞれの強みを生かしながら開発企業をサポートする。
https://www.mhlw.go.jp/kaigoseisansei/pf/
(注2)Future Care Lab in Japan
SOMPOホールディングスおよびSOMPOケアが2019年2月に開設。ICT・デジタル技術を積極的に活用した、「人間」と「テクノロジー」が共生する新しい介護のあり方を創造し、より少ない負担で質の高い介護サービスを提供できる、持続可能な介護事業モデルの構築を目指し、国内外の最新テクノロジーの実証などを行う研究所。
https://futurecarelab.com/
(注3)『2030年から問う介護』
Future Care Lab in Japanが、介護現場において「どんなテクノロジーを導入するか」ということよりも、「なぜ取り組むのか」が重要であるという考えのもとで「2030年」という少し先の未来を設定し、そこに向けてどのような介護現場にしていきたいかを共に考えるきっかけづくりとして、共同パートナーと開発した4つの模型の展示を実施するもの。
(注4)JSTムーンショット型研究開発事業
我が国発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進する国の大型研究プログラム。
未来社会を展望し、困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題等を対象として、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)及び構想を国が策定し、挑戦的な研究開発を推進するもの。
https://www.jst.go.jp/moonshot/
(注5)青葉山リビングラボ
2022年2月に東北大学大学院工学研究科の平田研究室が開設。超高齢化社会における介護ロボット機器・システムによる課題解決のため、2050年の未来を想定した新しく画期的な解決策と、近い将来に適応できる現実的な解決策の両輪を見据えた研究開発拠点。
2023年2月14日 東北大学プレスリリース 東北発・介護ロボット研究開発拠点がオープン
お問合せ先
東北大学大学院工学研究科 ロボティクス専攻 教授 平田 泰久
TEL:022-795-6940
E-mail:moonshot_office@srd.mech.tohoku.ac.jp