• HOME
  • ニュース
  • 国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’15)において東北大学生らのチームが国内予選優勝 世界大会に進出

国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’15)において東北大学生らのチームが国内予選優勝 世界大会に進出

2015/04/21

工学部化学・バイオ工学科3年生の松田佳歩さんをリーダーとするチームが、2015年4月16日に仙台メディアテークで開催された第6回国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’15)国内予選において、出場12チームの頂点に輝き、2015年6月21日に米国・アラスカ州・アンカレジで開催される世界大会に出場することになりました。また、同チームは、来場者の投票で選ばれる最優秀ポスター賞(1チーム)にも輝きました。チームの結成、および作品の制作にあたり、工学部の授業である「創造工学研修」を通じて、田中秀治教授・塚本貴城助教の研究室と特定非営利活動法人natural science注1が連携しました。

国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテストは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)注2を用いたアプリケーションの出来を、高校生、高専生、専門学校生、大学生、および大学院生が競うコンテストであり、約30の国・地域における国内予選、および各国内予選を勝ち抜いたチームによる世界大会が開催されます。これまでに日本国内予選の優勝チームは世界大会でも優勝するなど輝かしい成績を収めており、最近では、2014年世界大会の優勝チーム(郡山北工業高校)が2015年3月3日放送のTBS「NEWS23」で特集されるなど、注目を集めています。

優勝作品は「どこでも茶道」と題するもので、茶筅にMEMSセンサー(加速度センサー、ジャイロセンサー、赤外線センサー)を組み込み、茶筅の動きとお茶の温度から点前の出来を、滑らかさ、泡のきめ細かさ、均一性、およびお茶の温度の観点で点数化するものです。リーダーの松田佳歩さんは5年の茶道歴を有していますが、定性的である所作の指導を定量化したいという発想、および作品を通じて茶道の面白さを世界に知ってもらいたいという動機から本作品を構想し、後述するプロセスを経て他3名のチームメンバーとともに優勝作品を作り上げました。


  • 優勝作品「どこでも茶道」

  • iCAN’15国内大会表彰式
国内予選優勝までのプロセス

工学部の1年生を対象とする授業「創造工学研修」を受講した学生達とnatural scienceのメンバーが合同で3チームを結成し、iCAN’15に出場しました。「創造工学研修」は各研究室が提供する約130の実践的研修プログラムからなり、700名以上の学生が受講します。工学部機械知能・航空工学科バイオロボットシステムコースの田中秀治教授・塚本貴城助教の研究室は、「創造工学研修」の1つとして「MEMSアプリケーション・コンテスト」と題する研修プログラムを提供し、natural scienceと連携して受講生をiCAN’15国内予選に送り出すことを目指してきました。2014年10月から受講生とnatural scienceのメンバーに対して、MEMSの仕組みと利用法、電気回路の設計法、マイコンプログラミング法などに関する講義、および電子回路製作やマイコンプログラミングを実践する研修を行い、コンテスト申し込みのための提案を検討・議論も一部、「創造工学研修」として行いました。その後、アプリケーションの開発やコンテストに向けての準備は、3チームに分かれて各チームのリーダーが中心となってnatural scienceで進めました。

研修プログラムでは、まず、コンテスト出場という具体的な目標を示し、いきなり作品制作のための実践的な技術を教えます。大学1年生にとっては高度な内容を含みますが、まず、全体像を掴んでもらい、どこがわからないかを実体験として知ってもらった上で、わからない部分については、先輩学生であるnatural scienceのメンバーに教えてもらいつつ、後で自ら学習してもらうように研修プログラムが設計されています。基礎から高度な内容や応用に積み上げていくが一般的な教育プロセスですが、本研修プログラムでは逆のプロセスによって短期間で作品制作の力を養成しました。

ものづくりに興味を持つ学生が、大学入学後の早い段階から「創造工学研修」を通じて、国際コンテストを目指したものづくりを実践し、先輩と協力しながらの作品制作を通じて、ものづくりの楽しさやチームによる開発の方法論を学び、今度は、そのような学生が「natural science科学講座」の講師となり、地域の小中学生や大学の後輩に技術とものづくりの楽しさを伝えていく:そのようなエコシステムを作り上げることをこの研修プログラムは目指しています。今回のiCAN’15国内予選での優勝は、そのような国立大学とNPOの連携による科学・工学教育の成果であると考えています。

注1)特定非営利活動法人natural scienceは、東北大学理学部の卒業生である遠藤理平さん、大草芳江さんらを中心に2007年に設立されたNPOであり、知的好奇心がもたらす心豊かな社会の創造に向けて、「科学」を切り口に「結果に至るまでのプロセス」を可視化・共有化する場として機能することを「科学・技術の地産地消」と位置づけ、毎年7月の「学都「仙台・宮城」サイエンス・デイ」、「natural science科学講座」などを行っています。今回、田中(秀)・塚本研究室と連携し、「natural science科学講座」の一環としてiCAN’15を目指す活動を行いました。優勝チームのリーダーである松田佳歩さん(工学部化学バイオ・工学科3年生)はnatural scienceのメンバーです。
注2)MEMS:半導体製造技術に基づき作製されるセンサー等の微小デバイス。スマートフォン、携帯電話、自動車、ゲーム機器、産業機械などに大量に使われており、東北大学はMEMSに関する研究開発で世界的に有名です。
【関連ウェブサイト】
【お問い合わせ】
東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
ニュース

ニュース