国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’15)において東北大学生らのチームが世界一になりました。
2015/07/03
工学部化学・バイオ工学科3年生の松田佳歩さんをリーダーとするチームが、2015年6月21日にアメリカ合衆国アラスカ州アンカレッジで開催された国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテスト(iCAN’15)において、出場19チームの頂点に輝きました。各チームは国・地域の予選を勝ち勝ち抜いて世界大会に出場しますが、松田さんらのチームは、2015年4月16日に仙台メディアテークで開催された日本国内大会で優勝し、今回の世界大会への出場権を獲得しました。
国際ナノ・マイクロアプリケーションコンテストは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)注1を用いたアプリケーションのできを、高校生、高専生、専門学校生、大学生、および大学院生が競うコンテストです。今回の世界大会には、日本、台湾、中国、香港、タイ、アメリカ、ドイツ、スイス、ポーランド、ニュージーランドの10の国・地域から19チームが参加しました。
優勝した作品は「どこでも茶道(Anywhere Sadou)」と題するもので、茶筅にMEMSセンサー(加速度センサー、角速度センサー、赤外線熱センサー)を組み込み、茶筅の動きとお茶の温度からお点前のできを数値化するものです。これは、リーダーの松田さんが日頃お茶の指導を受けるなかで、もっと定量的な指標があればわかりやすいと感じて、着想に至ったものです。国内大会の優勝の後、松田さんらは作品の改良に取り組みました。特に、国内大会では茶筅と制御装置が有線で繋がっていましたが、国際大会向けの作品ではこれを無線化し、センサー付き茶筅(サイバー茶筅)の取扱いをより自然な感じにすることができました。
今回、仙台地域の特定非営利活動法人natural science注2が主体となってチームの結成、および作品の制作を行い、工学部の授業である「創造工学研修」を通じて、工学部機械知能・航空工学科バイオロボットシステムコースの田中秀治教授・塚本貴城助教の研究室も協力しました。田中(秀)・塚本研究室は、MEMSに関する研究開発で世界的に知られています。今回のiCAN'15世界大会優勝は、地元NPOと国立大学の地域連携による新しい教育の成果とも言えます。
今後も本学の地域連携によるMEMS関連の研究教育活動に注目して頂けますようにお願い致します。