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東北大オリジナル フェイスシールド ”DATE Shield(ダテ・シールド)”を 県内医療機関へ無償提供 - 医歯工連携により開発、県内6病院や歯科医師会等に800個を提供 -

2020/07/02

【発表のポイント】

  • 新型コロナウイルス感染症対策として入手が困難になっているフェイスシールドを工学研究科・歯学研究科・医工学研究科の連携により開発。
  • 工学研究科創造工学センターの設備を活用し約800個を作製、東北大学病院、国立病院機構仙台医療センター、宮城県歯科医師会、宮城県立こども病院、石巻赤十字病院、南三陸病院等、県内医療機関へ無償提供。
  • 開発したフェイスシールドは”DATE Shield(ダテ・シールド)”と命名。
  • 大学病院の現場の医師・歯科医師、看護師らの要望を反映し「軽量」「装着感の良さ」「透明度」を兼ね備えたフェイスシールドを実現。

【概要】

新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関ではフェイスシールドの必要性が高まっていますが、市販品の入手は困難になっています。この状況に対して、東北大学病院では、感染対策が逼迫してきた当初から、歯科技工室において3Dプリンターによるフェイスシールド作製を行い院内へ供給していたところですが、さらなる供給数の増加が求められていました。

工学研究科でも創造工学センターで作製が可能なことから医工学研究科・歯学研究科とともに東北大学病院に支援を申し出、フェイスシールド作製の検討を行った結果、同病院の医師・歯科医師・看護師らの要望を反映した使い勝手のよい東北大オリジナルフェイスシールド”DATE Shield(ダテ・シールド)を新たに開発し、提供することになりました。

これまでにフェイスシールドを約800個作製し、東北大学病院で使用するほか、国立病院機構仙台医療センター、宮城県歯科医師会、宮城県立こども病院、東北医科薬科大学病院、石巻赤十字病院、南三陸病院等に無償で提供しました。

【詳細な説明】

新型コロナウイルス感染症対策として、医療機関ではフェイスシールドの必要性が高まっていますが、市販品の入手は困難になっています。

この状況に対して、東北大学病院では、感染対策が逼迫してきた当初から、いち早く、歯科技工室の加藤裕光診療技術部歯科技術部門長を中心に、3Dプリンターを用いてフェイスシールドを作製し、大学病院内へ供給していたところですが、さらなる供給数の増加が求められていました。

学生のものづくりを通じた創造性の涵養を図るため設置されている工学研究科創造工学センターでは3Dプリンターを多く導入しており、フェイスシールドの作製について可能性の検討を進めていたことから、医療機器開発に知見を有する医工学研究科とともに4月26日に東北大学病院に対して支援を申し出、歯科技工室と同じフェイスシールドを3Dプリンターで作製し、大学病院への供給を始めることになりました。しかし、創造工学センターの技術スタッフと共に試作品を数点作製したところ、3Dプリンターによるフェイスシールドは作製に時間がかかること、造形後の処理が多いことが明らかになり、大量供給のためには、より効率的な手法によるフェイスシールド作製の検討が必須であることがわかりました。

そこで、工学研究科の中瀬博之特任教授(工学教育院三菱ふそう実践的教育プログラム共同研究部門)、歯学研究科の金髙弘恭准教授(歯学イノベーションリエゾンセンター異分野融合部門)、医工学研究科の厨川常元教授(生体機能システム医工学講座生体機能創成学分野)からなる開発チームを組織し、レーザーカッター(注1)によるフェイスシールド作製を既に進めていた山形大学のモデルを参考に、4月28日から工学研究科創造工学センターのスタッフによる技術支援を受けプロトタイプ開発を開始しました。アクリル板を材料としてレーザーカッターでフレームを作製、カッティングプロッタ(注2)でプラスチックフィルムをフレームに取り付けできる形状に加工することで、軽量化と作製速度の大幅な向上を実現し、かつコスト低減に繋がりました。実際の使用者である大学病院の医師・歯科医師・看護師らにニーズを聞き取り、現場の意見を反映した使い勝手のよいフェイスシールドを目指し改良を加えました。

5月8日から金高准教授を通じて東北大学病院で試作品の利用を始め、改善点を把握しました。病院内の様々な部署・場面での長時間の使用に供することができるよう、「フィルムの透明度向上」「強度を保ちつつ軽量化」「フィット感の向上」「汚染範囲を少なくするためのシートの形状」「低コスト」「生産時間の短縮、生産工数の削減」などの開発課題が明らかになり、課題をクリアしつつ試作と評価を重ね、より使い勝手のよいタイプを新たに開発しました。

開発したフェイスシールドは”DATE Shield(ダテ・シールド)”と命名し、以下の特徴を持ちます。

  • 透明度が高く安価な3M社製手書き用OHPフィルムを採用
  • 最低限の強度を確保した軽量化により重量約30gを実現
  • 液浸消毒を可能とする接着剤未使用
  • ゴムバンド固定により、長時間装着による頭痛など使用者へのストレスを大幅に低減
  • 入手し易く安価な材料選択により低コストを実現
  • オプションとして、デクセリアルズ株式会社製 ”反射防止フィルム モスアイタイプ”の採用により超高透明度を得ると共に、曇りにくいシールドを実現
  • DATEは東北大学における医歯工連携を意味します。
    D: Dentistry [歯学]
    A: Alliance [連携]
    T: Tohoku University [東北大学]
    E: Engineering / Biomedical Engineering [工学/医工学]
     

"反射防止フィルム モスアイタイプ"(注3)は、デクセリアルズ株式会社が開発したフィルムで、サンプル出荷として提供頂き、極めて高い透明度のフィルムとして採用しました。光の反射が極めて少なく、周囲の風景等のフィルムへの映り込みがほとんど発生しないため、フィルムの存在に気が付かないほどの透明感を得ることができます。加えて、息などで曇りにくく、使用者に不必要なストレスを与えません。

開発したフェイスシールドはこれまでに約800個作製し、東北大学病院で使用するほか、国立病院機構仙台医療センター、宮城県歯科医師会、宮城県立こども病院、東北医科薬科大学病院、石巻赤十字病院、南三陸病院等に寄贈し現場で利用頂いております。

今後は、今回開発したフェイスシールドのより大量な供給を可能にするため、民間企業への生産移管について広く関係各位の協力を募っていくこととしています。

【注釈】

1) レーザーカッター

レーザーによる局所加熱で物を加工・切断する装置。紙やプラスチック等、熱で融解・蒸発する材料の切断に適している。コンピュータ上で作成した2次元レイアウトパターンに応じてレーザーを動かし、任意の形状を切り出す。

2) カッティングプロッタ

小型カッターにより紙や薄いフィルムをパターニングする装置。コンピュータ上で作成した2次元レイアウトパターンに応じて小型カッターを動かし、任意の形状を切り出す。

3) 反射防止フィルム モスアイタイプ

フィルム表面にナノレベルの凸凹構造を形成することで光の反射を低減。周辺の光がフィルム表面に映り込まないため、フィルムが存在することを認識し難い極めて透明度が高いフィルム。


写真
 

開発したフェイスシールド
装着した様子

【お問合せ先】

東北大学工学研究科・工学部 情報広報室
TEL:022-795-5898
E-mail:eng-pr@grp.tohoku.ac.jp
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