高校生等向け特別講演会「東北大学工学部 in 東京」開催のお知らせ(3月26日)
2023/03/24
東北大学工学部では、高校生・高専生・受験生等の方に東北大学工学部の魅力について知っていただくための特別講演会「東北大学工学部 in東京」を4年ぶりに開催します。
東北大学工学部の各学科を代表する5人の教授が、それぞれが進めている世界最先端の研究を紹介するとともに、研究することのワクワク感や東北大学の魅力をお話しします。
また、工学研究科DEI推進プロジェクトと工学系女性研究者育成支援推進室 (ALicE)の特別企画として、『女子高校生・保護者向け相談コーナー』を開設します。現役の女子大学生・大学院生をはじめ、女性教員、そして、卒業して社会で活躍している先輩女性が集結し、高校生や保護者の皆さんの様々な疑問に何でもお答えします。気軽に相談にお越しください。
合わせて、入試相談コーナー、学生生活(下宿、奨学金等)相談コーナー、各学科学生との交流・相談コーナー、資料配付コーナーも設けます。
東北大学工学部に関心をお持ちの多数の方のご参加をお待ちしております。
- 【日時】 2023年3月26日(日)10:30~17:30(9:45開場)
- 【場所】 一橋講堂(学術総合センター2階)
東京都千代田区一ツ橋2-1-2
地下鉄神保町駅、竹橋駅から各徒歩4分 - 【対象】 高校生、受験生、保護者、高校等の先生、東北大学工学部に関心をお持ちの方
- (4月から高校へ進学予定の中学3年生の方の参加も歓迎します。)
プログラム
[10:30-10:35] 開会挨拶
湯上 浩雄 工学部長・工学研究科長
[10:35-11:35] 1時限 機械知能・航空工学科 林部 充宏 教授
『ニューロロボティクス‐人の運動から学ぶロボティクス‐』
最近、何かと話題のAI。人間の仕事がAIにとってかわられる日がやってくるなどと言われますが、人間が何気なく行っていることを、AIにやってもらうことは、現段階ではできていません。人間は自分の経験に基づいて予測して環境適応し、効率的に動くことができます。ここが人間と機械の異なる点のひとつで、私の研究室では人間のようにエネルギー効率の良い運動制御ができないものかと日夜研究しています。
人間を知るためにロボティクスを使い、ロボットを向上させるため人間の学習能力の研究を行うニューロロボティクスについて紹介します。
[11:45-12:45] 2時限 建築・社会環境工学科 五十嵐 太郎 教授
『万博とオリンピックから建築を考えるー新しいデザインと構造の実験場』
19世紀に始まった国際的なイベントの万博と近代オリンピックは、ともに新しい建築を生みだす実験場としても機能しました。例えば、パリのエッフェル塔や、丹下健三が設計した東京の国立代々木競技場は、こうした機会に登場し、今も都市のランドマークとして親しまれています。また現存しませんが、第一回のロンドン万博の鉄とガラスによるクリスタル・パレス、1970年の大阪万博の空気膜構造のパビリオンなどは、期間限定を前提とした建築だからこそ、当時最先端の構造に挑戦しました。北京オリンピックの鳥の巣も有名です。講義では、万博とオリンピックの歴史を振り返りながら、どのようなデザインが登場したかを紹介します。また2025年に開催予定の大阪万博についてもとりあげます。
[13:45-14:45] 3時限 化学・バイオ工学科 福島 康裕 教授
『化学とカーボンニュートラル:システム化で技術を社会へ届けよう』
化学は物質の変換を実現します。その力を存分に社会で役立てるためには、複数の化学変換と、生成した反応物や未反応原料、副生物をスマートに分離し、さらにエネルギーの授受を上手に組み合わせてることのできるシステムの設計が必要です。 化学で資源と社会のニーズをつなげる「システム化」は、廃プラスチックの資源化、植物資源の資源化、廃ガスや空気中の二酸化炭素の資源化などカーボンニュートラル社会の実現に向けた鍵となる学問で、みなさんの挑戦と活躍が期待される分野です。
化学のシステム化で挑む私たちの取り組みを、空気や排ガスから二酸化炭素を回収して、有用な化学物質へと変換する最先端のプロジェクトを中心に紹介します。
[14:55-15:55] 4時限 材料科学総合学科 野村 直之 教授
『積層造形による新しいものづくりと材料科学- 現代の産業革命 -』
『従来に無い新しい材料加工法である積層造形技術が注目を集めています。本技術では、製造したい部品をコンピュータにより設計し輪切り状のデータに加工した後、これに沿って平面状のものづくりを繰り返し行い積層することで立体的な造形を行います。この技術は、想像の世界でしかなかった新しい形状を具現化し、自動車や航空宇宙の分野では部品の軽量化や冷却効率の向上、医療の分野では症例に併せた医療デバイスを可能にします。
本講義では積層造形の基本を理解しながら、本技術の特徴を発揮させる材料科学について紹介します。
[16:05-17:10] 5時限 電気情報物理工学科 伊藤 彰則 教授
『人が歌って機械が聴く・機械が歌って人が聴く』
音楽は有史以前からあるエンタテインメントであり、人間にとって不可欠なものでもあります。デジタル技術とコンピュータの発明以来、コンピュータと音楽は深いかかわりを持ってきました。その中でも、この十数年で飛躍的に発達した「歌声の技術」について解説します。まず、歌声の基本である音声の性質とコンピュータによる音声の処理について触れた後、カラオケ採点で身近な「歌声を評価する技術」と、ボーカロイドなどでポピュラーになった「歌声を生成する技術」の2つについて解説します。