東北大学工学研究科・工学部
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2006/09/28

2006年9月20〜22日に米国ネバダ州ブラックロック砂漠にて開催された ARLISS カムバックコンペティションにて、航空宇宙工学専攻の学生チームが優勝しました。

ARLISS (A Rocket Launch for International Student Satellites) カムバックコンペティションとは,学生が製作した総重量 1,050 g 以下のペイロード(衛星モデル)を,固体燃料ロケットを使って上空 4000m まで打上げ,パラシュート降下中もしくは軟着陸後にペイロードが自律制御をおこなうことにより,地上にあらかじめ設けられたゴールへの到達距離を競うものです.同コンペティションは,UNISEC(大学宇宙工学コンソーシアム,日本),スタンフォード大学(米国),AEROPAC(太平洋ロケット実験協会,米国)の共催により2002年より実施されており,本年は,日本,米国,スペイン,韓国より計13大学からの参加がありました.(韓国はオブザーバ参加)

東北大学からは,パラシュート降下中に飛行制御を行ってゴールへの着地を目指す Fly-back 型1チームと,軟着陸後に地上を走行してゴールへの到達を目指す Run-back 型2チームが参加しました.強風でパラシュートが数キロメートルも流されるという悪条件の中で,Run-back 型のチームA(代表:関口晃博君)がゴールまで 6 m,同型のチームB(代表:吉川岳君)がゴールまで 44 m という好成績を挙げて,1,2位を独占しました.3位以下は2000 m 以上のスコアでした.

東北大学大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻では,文部科学省が推進する「魅力ある大学院教育イニシアティブプログラム」の一環として「航空宇宙フロンティア」と名づける新しい授業を平成18年度より実施しています.同授業では,飛行実験を伴うチャレンジングなプロジェクトに取り組むことにより,創造性やリーダーシップに富んだ人材育成を行うことを目指しています.ARLISS カムバックコンペティションへの参加も,同教育プログラムの実践活動の一部として実施されました.

今回,他大学を大きく引き離して優勝したことは,「航空宇宙フロンティア」教育プログラムのひとつの大きな成果であると言えます.軟着陸後に砂漠を走行してゴールを達成する技術は,超小型ロボットによる将来の惑星探査につながるものであり,また,厳しい条件の中でミッションを完遂した実績は,極限状態を追及する航空宇宙技術や,現実世界で役立つロボット技術の開発へ向けての大きな足がかりになると考えられます.

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