東北大学工学研究科・工学部
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2011/05/06

平成23年度入学者オリエンテーションが行われました。

東日本大震災の影響で順延になっていた入学者オリエンテーションが本日行われ、学部生869名、大学院生833名の新入生を迎え新年度がスタートしました。

震災犠牲者への黙祷
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総長・工学部長のDVDメッセージ
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アドバイザー教員との顔合わせ
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【工学部長・工学研究科長からのメッセージ】

新入生諸君、入学おめでとう。

およそ二ヶ月が経過しましたが、3月11日14時46分頃、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。仙台市では最大震度6強を記録するなど、東日本の広い範囲で強い揺れを観測しました。この地震に伴って発生した大津波の言語を絶する惨状は、メディアを通じて多くの方が目にされたことと思います。被災地では、今も、多くの人びとが不自由な避難生活を強いられています。被災された方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、この未曾有の災害の犠牲になられた方とそのご遺族に、心から哀悼の意を表します。

東北大学工学部、工学研究科では、幸い人的被害はございませんでしたが、教育研究設備、実験研究棟などに大きな被害を受けました。工学部が1919年、すなわち、大正8年に、東北帝国大学に設置されて以来、最大規模の災害です。工学部、工学研究科は、教育、研究面で、現在、一時的に停滞していますが、今年度の教育の早期のスタートと、さらなる研究の飛躍に向けて、迅速な復旧、復興に、教職員一丸となって取り組んでおります。現在までに、青葉山地区および川内地区の教室も使い、学部および大学院の全ての講義カリキュラムを実施可能な状態に準備いたしました。これにより、世界最高レベルの教育、研究環境の中で未来の技術を学ぶという、東北大学工学部が受験生の皆さんに約束したことをかなえることができます。


今回の震災では、我々、工学、技術に従事するものに対し、多くの課題が突き付けられました。工学は、いうまでもなく、人々の生活を豊かにし、安全・安心な社会を築くためにあります。しかし、今回の震災は、現在の工学が、まだそれを達成していないということを、厳然たる事実として、突き付けたのです。我々はこれを謙虚に受け止めなければなりません。工学分野で世界をリードする東北大学は、いま世界が注目する大震災の渦中にあります。渦中にあるが故の苦しさはありますが、工学部、工学研究科は、速やかに復旧、復興し、震災を経験した大学として、その知識、知恵、技術を社会に提供する責務があります。これに応えるため、工学部、工学研究科は、教育、研究、社会貢献の力を高め、さらなる飛躍を遂げるよう、今後とも努力を続けます。

皆さんは、入学後、機械知能・航空工学科、情報知能システム総合学科、化学・バイオ工学科、材料科学総合学科、建築・社会環境工学科の5学科のいずれかに所属し、基礎をしっかりと学んだのち、専門教育に進みます。入学後の皆さんに期待することが三つあります。それは、一番目に、基礎科目の徹底した学習により論理的な思考力を獲得すること、二番目に、世界に眼を開き、世界を俯瞰的に認識すること、そして、三番目に、勉学における切磋琢磨から、多くの友人をつくること、です。

工学部を巣立った卒業生は、幅広い分野に進出して、社会の第一線で活躍します。皆さんは、そのときのために、十分な基礎知識、専門知識や、深い洞察力はもちろん、幅広い教養や見識を身につけて欲しいと思います。こうして身につけた知識、洞察力、見識により、技術の研究、開発は言うに及ばず、ビジネス、政治、経済など、社会の広い分野で活躍されることを期待します。皆さんの活躍する場は、社会全般に広がっています。

東北大学は、入学後、学生が最も伸びる大学として知られています。歴史と自然が調和した杜の都、仙台、緑の美しい青葉山キャンパスで、震災から力強く復興しようとしている工学部の息吹に触れ、精一杯勉学に励んで下さい。

皆さんの前途洋々たる人生を期待しています。

【お問合せ】

東北大学工学研究科・工学部情報広報室
TEL/ FAX:022-795-5898
E-mail:eng-pr@eng.tohoku.ac.jp

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