渡部 花奈子助教(化学工学専攻)が、「ロレアルーユネスコ女性科学者 日本奨励賞」を受賞

2019/07/08

化学工学専攻 渡部 花奈子助教が、研究成果を評価され、2019年度第14回「ロレアルーユネスコ女性科学者 日本奨励賞」(物質科学分野)を受賞しました。授賞式は、2019年7月4日(木)にフランス大使公邸にて行われました。

「ロレアルーユネスコ女性科学者 日本奨励賞」は、若手女性科学者が、国内の教育・研究機関で研究活動を継続できるよう奨励することを目的として、2005年11月、日本ロレアル社が日本ユネスコ国内委員会との協力のもと創設されたものです。

【受賞内容】
■研究タイトル:
世界で初めて外部刺激により構造が自在に変化する新しい微粒子材料を開発
■研究概要:
ガラスなどミリメートル以上の大きな材料(バルク材料)は安定で使いやすく、私たちの日常生活において広く利用されています。材料をナノメートルスケールまで小さくすると、バルク材料には現れない多様な特性が現れます。例えば、金をナノサイズまで小さくした金ナノ微粒子は、金色ではなく赤色や青色を示します。しかしながら、小さな微粒子(コロイドとも呼ばれる)は非常に不安定であるため、実用化が難しいといった 課題があります。このことから、安定で扱いやすい微粒子材料の開発が求められています。
本研究の成果は、大きく分けて二つあります。まず、卵のような形の微粒子(卵型粒子)を集めた新しい材料構造を提案しました。黄身に相当する微粒子を、殻に相当するシェルの中に閉じ込めることで安定化し、微粒子の特性を最大限発揮させることに成功しました。次に、閉じ込めた微粒子が液体を充填したシェルの中で自由に動くことを証明しました。この運動性を利用し、卵型粒子の集合体に電気などの外的な刺激を与えることで、閉じ込めた微粒子の運動や配置を殻の中で自在に制御することを世界で初めて成功しました。一般的に一つの材料から得られる特性は一つに限定されています。これに対し卵型粒子の集合体であれば、与える刺激の種類や強弱によって色が多様に変化するなど、一つの材料から複数の特性が得られる画期的な材料が開発できると考えています。

受賞者全員集合写真。右から二番目が渡部 花奈子助教。 (写真 : 日本ロレアル提供)


受賞式の様子。 (写真 : 日本ロレアル提供)
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