東北大学工学研究科・工学部
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PRESS RELEASE

2005/12/22

バイオロボティクス専攻の小柳教授らの研究グループは世界初の10層積層3次元LSIの試作に成功しました。


バイオロボティクス専攻の小柳光正教授らは、スーパーチップと呼ばれる画期的な 3 次元積層型システム LSI 技術の開発に世界で初めて成功し、米国ワシントン DC で開催された半導体研究の殿堂とも言える IEEE 国際電子デバイス会議( 12 月 5-7 日)にて発表し大きな注目を浴びました。小柳教授らの開発したスーパーチップ技術では、種類の異なった複数の極薄 LSI チップやセンサーチップ、 MEMs チップなどを、液滴を利用した自己組織化技術を用いて多層に積層し、これまでにない新しいシステム LSI を構築するというもので、これまでの LSI 技術の概念を根本的に変えてしまう画期的な技術です。これまでの LSI 技術では、デジタル回路とアナログ回路や高周波回路、さらにはセンサーデバイスや MEMs デバイス、化合物半導体回路など、種類の異なる回路やデバイスを同時に一つのチップに集積することは難しかった。小柳教授らのスーパーチップ技術では、これらの回路やデバイスを作りつけた小さなシリコンチップや MEMs チップ、化合物半導体チップなどをシステムの構成部品として取り扱い、これらを多層に集積化して新しいシステムチップ(スーパーチップ)を作製する。また、スーパーチップ技術では、いろいろな種類のチップを一つのシステムチップに集積するために、特殊な薬剤を含有させた液滴をそれぞれの部品チップとウェーハの所定の部分に一括塗布して、これらの液滴の表面張力を利用して、チップ間やウェーハ間の位置あわせを自己組織的に行うというこれまでの LSI では考えられない新しい集積化技術を導入している。この技術を用いると、8インチや12インチのシリコン LSI ウェーハ上に、500個以上の異なったチップを約0.1μmの合わせ精度で、0.1秒以下の時間で一括同時位置合わせが可能となります。東北大学の小柳教授らはこのようなスーパーチップ技術を用いて、数μm〜30μmの厚さのメモリチップを10層積層した3次元メモリ LSI の試作にも世界で初めて成功しています。

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