東北大学工学研究科・工学部
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PRESS RELEASE

2006/07/31

ナノメカニクス専攻の羽根教授等の研究グループは従来に比べ約60%明るくなる発光ダイオードの開発に成功しました。

発光ダイオード(LED)は様々な用途に使用されており、近年、照明用光源として利用しようと研究が盛んに行われています。照明用光源として使用するためにはLEDの素子1個あたりの発光量を多くすることが重要となりますが、LEDに使用されている半導体材質の屈折率は高いため、従来のLEDは発生した光の多くがLED素子外部との境界面で反射して内部に閉じ込められていました。今回我々は、LED素子表面にナノ周期構造を形成することにより、光の取り出し効率を60%ほど増加させました。

開発したLEDの表面には、高さ270nmの釣鐘型構造が200nmの周期で形成されており、このような構造が半導体と外部との屈折率差を滑らかに整合させるため、境界面での反射損失を広い発光スペクトルと放射角度に対して低減できます。突起形状や周期を設計することで、青色〜赤外用、白色LEDなどの発光効率を増加させることが出来ます。開発した構造は、従来のLED製造と同様の半導体微細加工技術を用いて形成され、量産化の技術開発を目指しています。

参考文献:
[1]特許第3723843号
[2]金森義明, 羽根一博, "サブ波長格子:バイオミメティック構造からフォトニックデバイスへ," 応用物理, Vol.74(7), (2005) pp.935-938.
[3]Y. Kanamori, M. Ishimori and K. Hane, Y. Kanamori, M. Ishimori and K. Hane, "High efficient light-emitting diodes with antireflection subwavelength gratings," IEEE Photonics Technology Letters, Vol. 14(8), (2002), pp.1064-1066.

研究室のホームページ:
http://www.hane.mech.tohoku.ac.jp

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TEL: 022-795-5898

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