東北大学工学研究科・工学部
過去のプレスリリース一覧

PRESS RELEASE

2011/07/08

極限ロボティクス国際研究センター設置のお知らせ

東北大学では、国際的に卓越した教育研究拠点機能を充実させるため、平成23年度より概算要求特別経費により「極限ロボティクスの国際研究拠点形成」プロジェクトを開始しておりますが、同プロジェクトの実施主体として、平成 23年7月1日付けで、東北大学大学院工学研究科に「極限ロボティクス国際研究センター」を設置し、極限ロボティクスに関する研究開発と人材育成に取り組んでいくことになりました。今後同研究センターは、本学大学院工学研究科、大学院情報科学研究科、大学院医工学研究科に所属する9名の教授を中心に運営され、センター長には工学研究科 吉田和哉 教授が就任します。

【研究センターの概要】

極限ロボティクスとは、人間の能力を超えたマクロ(巨視)の世界およびマイクロ・ナノ(微視)の世界などの極限的な環境で活躍するロボットの実現に挑戦する研究分野を指します。本研究センターでは、ロボティクスに共通する基盤技術研究をベースとして、宇宙探査、災害対応、ライフ・イノベーション、分子ロボットなどの極限的な応用展開研究を推進します。「からだの中から宇宙まで」をキャッチフレーズとして、世界中から優れた研究者を惹きつける国際研究拠点を形成し、世界の最先端と切磋琢磨する研究環境を構築します。

【研究センターの活動領域】

本センターでは、次の4つの研究課題に取り組みます。

(1) 「宇宙ロボット」(Field and Space Robotics)

東北大学は、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」の開発にも貢献し、また大学独自の小型衛星を開発するなどの実績をあげてきました。これらの技術を発展させ、宇宙という極限環境の探査に貢献するロボットの開発を推進します。また宇宙探査の技術を、地球上での資源探査や廃棄物処理などの、地球環境を守る技術にも応用展開することを目指します。

(2) 「災害対応ロボット」(Rescue Robotics)

東北大学は、レスキューロボットなどの災害対応ロボットの研究においても先導的な成果をあげてきました。しかしながら災害の形は千差万別であり、ロボットが現場で適切に活用されるためには、ロボットが安全・安心な日常生活を実現する要素として社会に組み込まれていく必要があります。本センターでは、東日本大震災への対応を喫緊の課題として位置付け、東北大学が災害研究の拠点となることを目指し、極限ロボティクスの立場から研究開発を推進します。

(3) 「ライフ・イノベーションのためのロボティクス」(Medical Robotics & Life Innovation Technology)

高齢化社会に対する医療・福祉・ヘルスケアの分野でもロボットの技術が求められています。 医療現場で検査や手術を支援するロボット、日常的に人が人間らしくより健康な生活をおこなうことを支援するロボットなど、応用分野は多岐に渡ります。本センターでは、これらライフ・イノベーションに資するロボットについて、極限的な応用分野の開拓をめざした研究開発を推進します。

(4) 「分子ロボティクス」(Molecular Robotics)

究極のナノテクノロジーとして、人工生体分子で構成される分子ロボットの開発へ向けた挑戦が行われており、東北大学はこの分野でも先導的な立場にあります。分子を自由に操るという極限技術からは、まったく新しい革新的な成果が生み出されることが期待できます。本センターでは、マイクロ・ナノの極限として、分子ロボットの研究開発を推進します。

【研究センターの設置期間】

平成23年7月1日〜平成29年3月31日

【お問合せ】

東北大学工学研究科・工学部情報広報室
TEL/ FAX:022-795-5898
E-mail:情報広報室メールアドレス

このページの先頭へ