東北大学工学研究科・工学部
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PRESS RELEASE

2012/03/01

東北・被災地区の復興支援に供する社会インフラ等の点検調査・診断評価を目的としたセンサネットワーク構築と共創型クラウドの開発に着手

国立大学法人東北大学(宮城県仙台市青葉区)、株式会社NTTデータ(東京都江東区)、公立大学法人会津大学(福島県会津若松市)は、研究体(コンソーシアム)を形成し、IT融合による被災地の社会インフラ等の点検調査・診断評価を目的としたセンサネットワーク構築と共創型クラウドの開発事業に共同で取り組み震災復興と新産業創出を目指します。

同研究体の企画提案が、3月1日、経済産業省事業「平成23年度補正予算IT融合による新産業創出のための研究開発事業(産学官IT融合コンソーシアム拠点の整備)」に採択され、今年度中に事業に着手します。

実施体制(コンソーシアム)
研究機関 国立大学法人東北大学(仙台市青葉区)
公立大学法人会津大学(会津若松市)
IT関連 株式会社NTTデータ(東京都江東区)
リリースに関するお問い合わせ先

東北大学大学院 工学研究科 情報広報室 [担当:馬場]
〒980-8579 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6
Tel: 022-795-5898(直通)

【参考資料】事業の概要

東北・被災地区の復興に供するため、地域コミュニティーの協力をえて情報収集できる仕組み、航空写真やセンサネットワークなどのM2M技術を用いた自動データ取得ツールによる遠隔で情報を取得する仕組みおよび、研究者・専門技術者のコミュニティーが、これらのデータを用いて調査や診断などの評価ができる仕組みを開発し、復興事業を行う際の、調査や計画を支援するシステムを開発し、復興事業に供することを通して新産業の創出を図ることを目的とします。センサネットワークなどのM2M技術および共創型クラウド技術拠点の形成・展開を図るとともに、同事業の成果を核とした事業展開を目指します。

◯ 被災地の社会インフラ復興支援

社会インフラの点検・調査と評価を効率的におこなう仕組みが復興に求められています。この課題を解決するために、ICT を用いて地域コミュニティーや専門家が集い、協働で作業が可能な“場”をクラウド上に提供します。さらに、立ち入り制限区域や、情報の広域的な収集に際して、自動化を推進し、必要な情報を自動的に収集するシステムを開発します。これらの収集した情報は、情報の信頼度や、精度などが悪いことも想定されるので信頼性向上のための人間と機械をつなぐ補完技術を開発します。

◯ センサネットワーク構築および共創型クラウド開発とその技術拠点形成

被災地において橋梁、道路、建物などの状況をMEMSセンサなどにより計測し、有意な情報を抽出するセンサネットワークを構築します。また、ICTを用いたボランティア、NPOなどの地域コミュニティー、センサネットワークなどによるモニタリングシステム、行政、研究者、技術者が種々のデータを活用する仕組みとして共創型クラウドを開発します。以上の技術を関連機関と協力し、各分野の知見を集積し高度化することにより、センサネットワークおよび共創型クラウド技術拠点を形成します。

◯ 本事業を核とする事業展開

以上の成果は、被災した東北地域の社会インフラ復旧・復興支援に大きく寄与するだけでなく、地域のニーズを吸収し、さまざまな分野で本センサネットワークおよびクラウドの利用が促進されることを期待しております。本システムを開放することによりITベンチャー企業をはじめとするIT関連企業や、MEMSセンサ関連企業などの融合化・集積化を行い、新産業の創出を図ります。

【参考資料】運用のイメージ

地域コミュニティーが共に利用し価値を創造するクラウドを実現します。運用のイメージを以下に示します。

【参考資料】用語解説
  • M2M:
    ネットワークに繋がれた機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムを指す。
  • センサネットワーク:
    複数のセンサ付無線端末を空間に散在させ、それらが協調して環境や物理的状況を採取することを可能とする無線ネットワークのこと。
  • MEMS:
    機械要素部品、センサ、アクチュエータ、電子回路を一つのシリコン基板、ガラス基板、有機材料などの上に集積化したデバイスを指す。

【お問合せ】

東北大学工学研究科・工学部情報広報室
TEL/ FAX:022-795-5898
E-mail:情報広報室メールアドレス

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