ロボティクス専攻の平田泰久教授らのチームが、第11回ロボット大賞において優秀賞(介護・医療・健康分野)を受賞
2024/09/11
2024年9月にパリ2024パラリンピックのイベント会場(ヴェルサイユ)で実施されたロボットを用いたスマーター・インクルーシブ・ダンス
国立大学法人東北大学、国立研究開発法人国立長寿医療研究センター、パラマウントベッド株式会社、株式会社Shioriのチームによる取り組み『スマーター・インクルーシブ・ダンス』が、「第11回ロボット大賞」の優秀賞(介護・医療・健康分野)を受賞しました。
2024年9月18日(水)に、東京ビッグサイトで開催されるJapan Robot Week 2024の会場で表彰式が行われ、9月18日(水)~20日(金)の受賞ロボット合同展示ではパフォーマンス動画の紹介が行われます。
また、2024年10月2日(水)~4日(金)に同じく東京ビッグサイトで開催される国際福祉機器展では仮想環境内でのトレーニングシステムの展示/体験を行います。
第11回ロボット大賞 優秀賞(介護・医療・健康分野)
スマーター・インクルーシブ・ダンス
【東北大学/国立長寿医療研究センター/パラマウントベッド株式会社/株式会社Shiori】
評価のポイント
世代や障害の有無を問わず、すべての人々が社会に積極的に参加できる高い包摂性を持つ社会の実現を目指しており、その社会的ニーズは極めて高い。市販の福祉介護機器を活用し、特別なチューニングを必要としないシステムはユーザビリティも高く、多くの人々に利用しやすい点が評価される。特に、VR環境や触覚提示技術を用いた視覚障害者への配慮は先進的であり、ダンスを通じた感情表現や社会参加の促進は、リハビリテーションや認知症予防にも寄与する可能性が期待される。
「ロボット大賞」とは
『スマーター・インクルーシブ・ダンス』とは
『スマーター・インクルーシブ・ダンス』は、世代の差や障がいの有無・程度を問わず、全員が同じステージで一緒にダンスを楽しむことができるようにするための研究開発プロジェクトです。東北大学大学院工学研究科の平田泰久教授とパリ・サクレー大学(フランス)のEric Monacelli教授を中心に、AIロボット技術や福祉工学の研究者と理学・作業療法士、介護システム開発会社の技術者らが連携し、ダンス(身体表現)の専門家の協力のもと、パリ2024パラリンピックのイベント会場(ヴェルサイユ)など、国内外でパフォーマンスを実施してきました。
本システムはユーザの体に装着した部位の傾きを検知する慣性センサや装着型モーションキャプチャシステムと、それらと車いすロボットや立位移動ロボットなどの介護ロボットをつなぐネットワークシステムから構成されています。
ジョイスティックなどの操作デバイスを介さず、ユーザの身体の動きに応じてロボットを動かすことが可能で、両手を使ったより表現力豊かなダンスを実現することができます。
また仮想環境においてユーザがロボットを動かしてトレーニングを行うことができるシステムや、視覚障がい者を対象とする触覚呈示デバイスによるダンス運動の教示や環境認識センサを用いた人の誘導技術の開発が行われているところです。
パフォーマンスの様子
観客も含めた全員での”Yes We Dance!”
日本,フランス,カナダ,南アフリカからメンバーが集結
身体の動きを使ってロボットを操縦する試乗体験の様子
図2.仮想環境でのトレーニング環境構築
関連ページ
第11回ロボット大賞が決定しました!(経済産業省ウェブサイト)「第11回 ロボット大賞」受賞一覧
AIロボットで“Yes We Dance!”(工学研究科・工学部ウェブサイト)
世代も障がいも国境も越えてAIロボットで“Yes We Dance!”(工学研究科・工学部ウェブサイト)
参考ページ
JSTムーンショット型研究開発事業 目標3の研究開発プロジェクト「活力ある社会を創る適応自在AIロボット群」VISION to CONNECT 『「みえる」 からはじまる、人のつながりと自己実現を支えるエンパワーメント社会共創拠点』
お問合せ先
東北大学大学院工学研究科 ロボティクス専攻 教授 平田 泰久
TEL:022-795-6940
E-mail:moonshot_office@srd.mech.tohoku.ac.jp